循環器科とは、心臓病、脳卒中、血管の病気などをおもに診る科目です。これらの病気は生活習慣病が原因であることが多く、逆に言えば生活習慣病の治療がすなわち循環器疾患の治療ともいえます。生活習慣病の中でも、肥満、高血圧、高脂血症(コレステロールや中性脂肪が高い)、糖尿病、高尿酸血症などは循環器疾患との関わりが深いことが知られています。したがって、健康診断などでこれらの異常を指摘された方は是非ご相談下さい。また、動悸、息切れ、胸痛、ふらつき、むくみなどの自覚症状のある方も一度受診されることをおすすめします。 また、ペースメーカー植え込み術を施行された患者さんのフォローアップ目的のペースメーカー外来を月 1 回行っています。
内科 内科医であることに誇りを持ち、また専門バカと言われないためにも「循環器科医の前に内科医であれ」と常に自分に言い聞かせ、そのつもりで臨床を行ってきました。しかし「頭のてっぺんから足の先まで」全身の相談を受ける立場の家庭医となり、勉強すべき内容はさらに内科領域だけにとどまらないことを痛感しています。これは最近注目されている「総合診療医」の概念と一致しています。 私は2013年から3年間「総合診療スキルアップセミナー」を受講し、その後2016年からは「適々斎塾」に入会し現在まで総合診療を継続して学んでいます。前者は月1回日曜日東京で終日行われ、始発の新幹線で日帰りをしていました。後者は月1回の土曜日午後からと日曜日の終日大阪で行われています(最近はコロナの影響でオンラインが中心になりました)。 見逃されてしまいそうな病気を見つけたり、専門医に紹介すべきか否かということを判断できるレベルを目標の一つと考えています。
動悸、息切れなど心臓病を心配されて受診される患者さんの中には検査結果に異常がない方がおられます。心臓関係以外にも、神経性胃炎、慢性下痢、常習便秘、不安感、倦怠感、気力低下、めまい、冷え性、肩こり、顔のほてりなど体質を原因とする場合や、明らかに自律神経バランスの乱れやストレスが原因となっている場合は漢方治療を考慮します。また、痛み止めを長期に飲まなければならない関節痛、神経痛なども適応となります。 漢方は長期に服用しないと効果が出ないと思っておられる方も多いと思います。もちろんそういう場合もありますが、効果がある場合は2週間程度で何らかの反応が見られることも少なくありません。また、カゼも漢方の得意分野です。カゼは基本的に しっかり食べて休養をとることで自然に治ります。西洋医学では症状を無理やり押さえ込み、治り方がすっきりしないのに対し、漢方は本来の治癒過程を後押しすることで自然に治ることができます。私はカゼの治療には基本的に漢方が苦手な人以外は漢 方を使用しています。 私が漢方治療を好む理由の第一は、ひとりひとりに応じて治療を行う点です。同じ症状であってもその人の性別、体格、体質、年齢などによって処方は全く異なり、ときには数種類の漢方薬を調合します。例えば同じカゼでもその病期(引き始め、何日か経過しているか)によって処方内容は変わります。近い将来遺伝子の違いによって個人ごとに治療法が変わるテーラーメード医療の時代が来ると思いますが、漢方はすでに実践しているといえます。 第二に人間全体を見る点です。例えば頭痛、肩こり、不眠、便秘、冷え性という 5 つの症状がある場合、西洋薬では5種類の薬が対症療法として出されるかもしれません。一方、漢方診療においてそれらは実はひとつの根っこ(=体質)から発生していると診断できれば、漢方薬は1種類で済みます。また漢方では心と体の問題をお互いに関連付けて考えます。単に「それはストレスが原因です」で終わらせずに、そのことも含めて全体を診る漢方は人にやさしい治療だと考えています。