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次に不整脈のタイプ別に治療法を見ていきましょう。

Q12.「飛ぶ」不整脈(=期外収縮)の治療法は?
A12.多くの場合は自覚症状がなく、その場合は基本的に治療の必要はありません。但し、心臓疾患がある場合は突然死を予防する目的で自覚症状の有無に関わらず治療することもあります。自覚症状がある場合は、A10で述べた治療原則Uに従いお薬で治療します。期外収縮は一度出ると続けて出やすくなるという電気的性質があるため、お薬でその悪循環を断ち切ってやることで比較的短期間のみの服用で済む場合が多くみられます。治療抵抗性(=難治性)の場合カテーテルアブレーションの適応になることも稀にあります。

Q13. 「速い」不整脈の治療法は?
A13.「速い」不整脈の中で多いのは「発作性上室性頻拍」と呼ばれるものです。これは突然脈拍が140以上になりますので、自覚症状のない人はいません。以前はお薬で上手に付き合うことしかなかったのですが、最近はカテーテルアブレーションの技術が進歩し、治療の第一選択となってきました。95%以上の確率で完治が期待できます。但し、症状の激しい割に生命の危険性はないため、入院が無理な場合やカテーテルによる合併症が怖い場合はお薬で調節します。服用方法は、活動度、不整脈発作の頻度や持続時間などから個々人ごとに決定していきます。

Q14. 「乱れる」不整脈(=心房細動)の治療法は?
A14.心房細動の問題点は、1)頻脈になりやすい(高齢者の急性心不全の原因になりやすい)、2)脳梗塞になりやすいことの二点です。1)についてはお薬で調節します。2)について、心房細動が原因の場合は大きな脳梗塞になることが多く、生命予後が不良であり、たとえ命は助かっても重大な後遺症が残ることが問題になります。また心房細動の中で脳梗塞を起こしやすいグループがあることが分かっています(心不全、高血圧、糖尿病、75歳以上、脳梗塞の既往のある人)。これらの条件を総合的に見て血液をサラサラにするお薬を服用します。これまでワーファリン(バファリンとは違います)というお薬が脳梗塞予防に最も有効であることが知られていましたが、「定期的に採血をしなければいけない」「納豆が食べられない」などの制約がありました。最近ワーファリンと同等の効果を持ち、特別な制約のない新しいお薬が開発されています。またPart 2で述べたように心房細動の中で「発作性」と「持続性」の心房細動はカテーテルアブレーションの適応になります。但し、成功率は80%前後とA13で述べた発作性上室性頻拍よりは劣り、複数回しなければならないケースもあります。

Q15. 「遅い」不整脈の治療法は?
A15.脈拍が遅い(=徐脈)ことは倦怠感、息切れや頭がボーっとするなどの自覚症状も問題ですが、突然意識を失って倒れて頭を打ったり、あるいは突然死など命に関わる場合があります。したがって、自覚症状を伴う病的な徐脈が見つかった場合はペースメーカーを植え込まなければなりません。上でも述べましたように徐脈を根本的に治療するお薬はありません。

Q16.「AED」とは何ですか?
A16.最も恐ろしい不整脈は「心室細動」と呼ばれるものです。突然死の約8割は心室細動が原因とされ、急性心筋梗塞や心筋症、ボールなどが胸に当たった時、遺伝などが原因になります。高円宮殿下が心室細動のためにテニス中に急逝されました。心室細動は、心室という血液を送り出す心臓の部屋が痙攣を起こすためにポンプ機能を果たせず、実質的に心臓が止まった状態です。心室細動になった瞬間に意識を失います。直ちに除細動(=電気ショック)を行わないと1分ごとに10%ずつ生存率が低下し、3分で50%が死亡します(たまに「健康診断で心室細動と言われました」という方がおられますが、心房細動の間違いかと思われます。心室細動であれば「あなたは心室細動ですよ」という声を聞く間もなく意識を失い、電気ショックをされているはずです)。AEDは「自動体外式除細動器」のことで、心室細動の際に機器が自動的に解析を行い、必要に応じて除細動を行い(解析の結果心室細動でなければ作動しません)、心臓の働きを戻すことを試みる医療機器のことです。動作が自動化されており、器械の音声の指示に従えば誰でも問題なく使用出来るようになっています。最近は様々な公共機関に設置されており、当院にも置いています。意識を失った人をみたらまずは救急車を呼びますが、到着までは約7分かかるといわれています。それを待っていては救命は極めて困難になるため、直ちに心臓マッサージを始めると同時にAEDを使用することが重要です。(院長)

<知って得する話し> 〜低血糖〜

 糖尿病は血液中のブドウ糖濃度(血糖値)が高くなり高血糖状態が続くことですが、糖尿病の治療中は逆に低血糖に陥ることがあります。一般的に低血糖は血糖値が60mg/dl以下になったときのことを言います。糖尿病では、血糖値を下げるホルモンであるインスリンの分泌や働きが低下しています。治療として、インスリンを出すように促す薬やインスリンそのものを投与した際、インスリンが働き過ぎるために血糖値を過剰に下げてしまい低血糖に陥ることがあります。低血糖になると多くの場合、冷汗やめまいなど何らかのサインがでます。一度経験した人は自分の「これは」というサインを見逃さないように対処しましょう。

<低血糖時の対処>
 (1)ブドウ糖5〜10g、ブドウ糖を含む清涼飲料水(150〜200ml)、砂糖10〜20g(角砂糖2〜4個くらい)を摂取し安静にする。α―グルコシターゼ阻害薬(グルコバイ、ベイスン、セイブルなど)には、砂糖の吸収を遅らせる作用があるため、必ずブドウ糖を摂取する。(2)10〜15分過ぎても症状が改善しない場合、もう一度同じ量を摂取する。B症状が治まったら、食事がまだの場合は食事をとり、そうでない場合はご飯やパン、ビスケットなどの炭水化物を食べる。
 車を運転している場合は、すぐに車を止めて対処しましょう。また、あらかじめ自分の服用している薬を把握しておく必要があります。どこにいてもすぐに低血糖に対処できるように常にブドウ糖や砂糖類を携帯しましょう。

<糖尿病患者用IDカード>
 もしひとりで行動しているときに低血糖で倒れてしまっても適切に対応してもらうために携帯しておきたいのが「糖尿病患者用IDカード(緊急連絡用カード)」です。日本糖尿病協会などが無料で発行しており当院待合室にも設置しています。ご自由にお持ち帰り下さい。 

(糖尿病療養指導士・看護師 伊藤)