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<ごあいさつ>
 今シーズンは早くから寒い日が始まったためか、冬が長く感じられました。関西では「お水取りが終われば春が来る」といわれています。この「お水取り」は正式には「東大寺二月堂修二会(しゅにえ)」と呼ばれます。修二会とは「旧暦の二月に修する法会」という意味であり、二月堂の名もこのことに由来しているそうです。修二会は薬師寺、法隆寺西円堂、長谷寺などでも行われています。東大寺二月堂の修二会は正式名称を「十一面悔過(じゅういちめんけか)」といい、我々が日常に犯している様々な過ちを、二月堂の本尊である十一面観音菩薩の宝前で懺悔することを意味します。「練行衆(れんぎょうしゅう)」と呼ばれる11名の僧侶が行者となる修二会は、行者が人々に代わって過去の罪障を懺悔する苦行を実践し、その功徳により興隆仏法、鎮護国家、天下泰平、五穀豊穣、万民快楽(けらく)など人々の幸福を願う祈願法要であります。もとは旧暦の2月1日から行われていましたが、現在は3月1日から14日にかけて本行が行われます。本行に備える「別火(べっか)」と呼ばれる前行が2月20日から始まり、3月15日の満行まで約1ヶ月間にわたり様々な儀礼が行われます。二月堂の修二会は天平勝宝4年(752)実忠和尚(じっちゅうかしょう)により創始されて以来、「不退の行法」として現在まで一度も絶えることなく今日まで引き継がれており、今年は1262回目となります。「お水取り」の名称は、3月12日の深夜(13日午前1時半頃)、二月堂下にある「若狭井戸」から観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式に由来します。伝説では、この日にしかお水が湧いてこないことになっているそうです。また、この行を勤める練行衆の道明かりとして、夜毎、大きな松明(たいまつ)が灯されるため、修二会は「お松明」とも呼ばれます。このお松明は12日の籠松明が有名ですが(長さ8m、重さ70kg前後)、本行中毎日あげられています(長さ6〜8m、重さ40kg前後)。以上、一夜漬けの豆知識でした。理解不足もあるかと思いますので、詳しい方は是非色々お教えください。
 現在のところ幸いインフルエンザはそれほど流行していません。例年通りここまではほとんどがA型ですが、今年は高熱の方もおられますが、むしろ37度程度で検査陽性の方が目に付きます。熱がそれほど高くないのに「寒気」「ふしぶしが痛い(関節痛)」があり、“普通のカゼにしてはしんどい”というのが特徴です。今後流行の波が来ないとは限らず、また遅れてやってくるB型はA型よりも高熱になりにくいためインフルエンザを疑いにくいかもしれません。しかし、インフルエンザに罹ると自分自身がしんどいのはもちろん、周囲に大きな影響を与えます。「寒気」「関節痛」をキーワードにして、早めに受診してください。 (院長)

<健康に役立つ豆知識> 〜不整脈シリーズ( Part 1 )〜
 前号までは高血圧についてのお話でした。今回からは不整脈についてお話していきます。不整脈というと「むつかしそう」「こわそう」という声が聞こえてきそうです。実は、私の経験では循環器科以外の医師の中にも同じようなイメージを持っている人が多いようですし、最近のこの領域の発展はめざましく、我々専門医にとっても段々と難しくなっています。
 ここではいつものQ&A方式でなるべく簡単に解説していきたいと思っています。分からないところは診察室でお気軽にご質問ください。また、私が以前共著で出版した『不整脈とつきあうコツ』(フジメディカル出版)を受付カウンターに置いていますのでご参考ください。

Q1.そもそも不整脈てなんなん?
A1.ひとことで言うと「心臓のリズムが乱れる病気」の総称です。心臓は血液のポンプであり、電気の刺激で動いています。心臓には「刺激伝導系」という電気の流れる道がくまなく巡らされています(右図)。刺激伝導系の最初にある「洞結節」というところで生じた電気が、刺激伝導系を通って心臓全体に伝わります。刺激された心臓の細胞から順々に収縮し、それが全体に素早く伝わることにより心臓全体が規則正しく収縮します。電気刺激が伝わる様子は、池に石を投げ込んだときに波紋が順番に拡がる場面を想像してもらえればと思います。例えば洞結節が1分間に70回の電気活動を行うと心臓全体として70回の収縮を行い、その結果心拍数が70回/分ということになります。このような仕組みにより心臓は規則正しいリズムを作り出しており、不整脈はこの刺激の伝わり方のどこかに異常が生じた状態であるといえます。
     
Q2.原因は?
A2.例えば心筋梗塞や心筋症(心臓の筋肉(=心筋)が肥大したり動きが悪くなる原因不明の病気)など、心筋が障害されると不整脈は起きやすくなります。また、いくつかの不整脈では心筋の構造的問題が明らかになっており治療することが可能になってきています。さらに遺伝性の不整脈の存在も知られています。しかし、多くの不整脈では原因は不明です。ただし、原因は不明でも、ストレスや寝不足、アルコールなどが“誘因”になることはしばしばみられます。

Q3.こわいんちゃうの?
A3.結論から言いますと、「多くの不整脈は命に別状なし」です。不整脈による受診は、自覚症状がある場合と症状はなく検診等で偶然に指摘されて来院される場合の二つに分けられます。私たちは日常生活の中で心臓が動いていることを意識することはありません。もちろん走ったり、緊張、興奮すればドキドキします。しかし、何もしていないのにドキドキし出したりすればどうでしょう。多くの不整脈は次項で述べるような自覚症状が突然襲ってくるため、「死の恐怖」さえ感じます。また一旦そうなると益々不安が募り、却ってひどくなってしまうこともあります。しかし大部分の不整脈ではそのまま心臓が止まってしまうことはまずありません。受診されそのことを聞いただけで安心し、その後不整脈が出なくなるということも珍しくありません。ただ一部の不整脈は突然死につながったり、脳梗塞を起こしやすくなるものもあるので、きちんと検査を行うことは必要です。

Q4.どんなときに不整脈を疑えばええの?
A4.一般的に、「不整脈と聞いて思い浮かべる症状は?」と聞かれると「ドキドキ」と答える方が多いと思います。人により表現は異なりますが、いわゆる「動悸」と呼ばれるものです。それ以外に「一瞬胸が詰まる」「クットなる」などがあります。狭心症のときのような「胸が痛い」ということは余りありません。持続時間は一瞬から数時間、丸一日まで様々です。これらはおもに脈が飛んだり、乱れたりあるいは速くなったときの症状です。不整脈でもう一つ重要な症状として、「ふらつく」「眼の前が暗くなる」などがあり、これは基本的に脈が遅い不整脈の際にみられます。重症になると意識を失ってしまうこともあります。ですから失神の際は必ず不整脈の検査を行います。不整脈が原因で意識を失う場合はすぐに回復しますが、そうでなければ突然死ということになります。また、意識を失った際に転倒し、骨折や頭部打撲などの危険性があります。脈が遅い不整脈では、全身に流れる血流量が減少します。ふらつきや失神は脳に行く血流が少ないための症状です。他に「労作時の息切れ」や「全身倦怠感」など不整脈らしからぬ症状の場合もあるので注意が必要です。いずれにしても何か違和感や異常を感じたときは自分で脈をみること(=自己検脈)が大切であり、診察の際にその情報があれば診断、治療に非常に有用です。

Q5.ほんなら自己検脈のやり方を教えて(図)
A5.片方の手の人指し指、中指、薬指の3本指の先端の腹で、反対側の親指側(=とう側)の手首の付け根を触れます。最初は難しいかもしれませんが、生きている限り必ず脈は触れますので練習してみてください。

Q6.自己検脈のときはどこに気をつければいい?
A6.以下に箇条書きにします。
(1) 数:速いか遅いか
   15秒間に打っている数を数えて4倍した数が脈拍数となります
   50回/分から100回/分までが一応正常とされています(個人差があります)
(2) リズム:規則正しく「トントン」とうっているか
(3) 規則正しいリズムだが脈がときに飛んでいないか(飛ぶ数が多いとバラバラに感じることもあります)
(4) バラバラにうっていないか(バラバラでも速ければ規則正しく感じることもあります)

Part 1では不整脈とはどういうものか、多くは恐れる必要がないこと、また自己検脈についてのお話でした。次回は不整脈の種類、検査方法などについてお話しする予定です。 (院長)