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はーとだより
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<ごあいさつ>
 今年度最後のはーとだよりをお送りします。今年の夏は(今年「も」)いつまでも暑く、夏バテどころか秋バテという言葉が生まれるほど体調の悪い方が多かった印象でした。とくに、倦怠感や食欲低下、ふらつきなど自律神経バランスの乱れと思われる症状を訴える方が例年以上に目に付きました。その要因として、長引く暑さで体力が弱っていることに加えて、やっと涼しくなったかと思えば大きな台風が続いたことも大きいのではないかと考えています。台風は気圧が低下した状態です。昔から天気が悪くなると膝などの関節痛、頭痛、むくみなどが悪化したり、気分が落ち込むことは知られています。また喘息や心筋梗塞の増悪、発症が気圧の変化と関連するという研究もあります。そのおもなメカニズムとして、1.気圧低下により体にかかる圧力が低下すること、2.自律神経の変化が挙げられています。体にかかる圧力が低下すると血管にかかる圧力が低下し、(1)血管拡張による頭痛、(2)血液内の水分が外(=間質)に漏れることによるむくみ、また(3)気管支の壁がむくんで気管支が狭くなることによる喘息の悪化、などに繋がります。気圧が低下すると自律神経のうちリラックスあるいはブレーキの役割をする副交感神経活動が優位になります。その結果、やる気がしない、しんどい、気分が落ち込むなどの症状が出やすくなります。天気のいい日に交感神経活動が活発になり、気分も浮き浮きし外に出たくなるのと逆の現象です。また副交感神経活動により白血球の中のリンパ球が活性化され、そこから放出される様々なサイトカインと呼ばれる物質が炎症反応を高めて関節痛を悪化させる可能性があります。一方で、交感神経の興奮により痛みの感受性が高まり、痛みを感じやすくなるという説もあります。

 対処法としては、気圧の低下による物理的変化は避けようがありませんので、自律神経バランスのコントロールが重要になります。そのためにはいつもお話しているように、(1)休息をしっかり取る(疲れたらとにかく寝る)、(2)適度な運動(疲れているときほど家に閉じこもらないで少しでもいいから身体を動かす)、(3)ストレスを避けて気分転換をする、(4)40度までのお風呂で半身浴をする、(5)腹巻をして寝ることなどを心がけて下さい。

 さて、今年もインフルエンザワクチンの季節がやってきました。ワクチンはインフルエンザ予防の最大の武器です。少なくとも65歳以上の方において肺炎などの重症化を防ぐことは明らかになっています(詳しくは厚生労働省のホームページをご覧下さい)。「これまでインフルエンザになんか罹ったことがないからワシはイラン!」と不死身を自慢される方が毎年必ずおられますが、その方が今年も罹らない保証は全くありません。自分は大丈夫と思っていても、周囲に体力の弱っている方、妊娠の可能性のある方、受験生、小さい子供のいる方、また通勤やグランフロント大阪、あべのハルカスなど人ごみに行くことが多い方には是非ワクチン接種をお勧めます。 (院長)

<健康に役立つ豆知識>〜不整脈シリーズ( Part 3 )〜
 Part 1(7号、3月発行)では不整脈とはそもそも何か、どんな症状があるか、自分の脈のとり方などについて、Part 2(8号、7月発行)では不整脈の種類と検査についてお話ししました。今回はシリーズ最終回Part 3として、不整脈の治療についていつものようにQ&A形式でお話します。

Q10.不整脈と名がつけばすべて治療しなければいけないのでしょうか?
A10.治療をするかどうかは次の二つの原則から考えます。
 I.生命に関わるかどうか?
 II.日常生活活動(ADL)に支障があるかどうか?
Iの原則に当てはまる場合に治療をするのは言うまでもありません。IIは言い換えれば自覚症状がどれほどその人の生活の邪魔をしているかということであり、同じ不整脈であっても個人差があります。すなわち、どんだけしんどいかはその人にしか分かりません。したがって、治療をするかどうか、あるいはどういう治療法を選択するかは原則的にご本人に決めていただくことになります。
以上の原則を満たす不整脈は実はそれほど多くはありません。つまり不整脈と聞いてすぐにエライこっちゃと心配することは少ないといえます。

Q11.治療にはどんな種類がありますか?
A11.次のような治療法があります。
 1.おくすり
・発作時のみ服用(屯用)/一時的に服用/ずっと服用
  ・「遅い」不整脈以外が対象になります。言い換えれば「遅い」不整脈はお薬では治りません。
 2.カテーテルアブレーション
  ・カテーテルという管を手足の血管を通して心臓に入れて、不整脈発生の原因となっている心臓の部位を焼く治療です。入院が必要となります。
  ・おもに「速い」不整脈と「乱れる」不整脈が対象になります。ときに「飛ぶ」不整脈に対して行われることもあります。
 3.ペースメーカー植込み術
  ・「遅い」不整脈が対象になります。Part 1,2でお話したように、「遅い」不整脈では心臓内の電気の流れが遅かったり、滞ったりなどの問題があります。ペースメーカーはそれらの異常な電気の流れを補う働きがあります。決して心臓のポンプとしての働きを強めたりするものではなく、これを入れているから心臓は絶対止まらないということはありません(たまに「心臓が強くなったのでこれで止まらない」と思っている方がおられます。いつか必ず止まります)。
  ・鎖骨の下の静脈を通して心臓に線(リード)を1-2本入れ、先端は心臓の筋肉内で固定されます。もう一方の先端を、胸の皮下に入れた小さな電池とつなぎます。電池は、心臓の電気の流れを絶えず監視し(センシング)、異常があれば心臓に電気刺激を行います(ペーシング)。一般的に5-6年で電池のみの交換が必要です。
 4.その他
  ・不整脈の原因が心臓以外にある場合(甲状腺機能異常、貧血、心因性など)はそれぞれの疾患に応じた治療を行います。
  ・心筋梗塞や心筋症など心臓のポンプ機能が低下して不整脈が生じている場合は、原疾患の治療が重要になります。