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<ごあいさつ>
 この巻頭言では気候についてお話しするのが通例になってきました。いつも思うことですが、気持ちのいい季節というのは本当に少なく、今年も例年以上に早く梅雨入りし(1951年以降4番目の早さ)、しかも入梅した途端に夏日が続きました。季節の変わり目というのは気温、気圧の変化に対して自律神経調節がうまく働かなくなり不調に陥りやすいものです。とくに今年は今の時期に限らず体調のすっきりしない方が例年に比べてとても多いような気がします。

 さて、サッカー日本代表がめでたく来年ブラジルで開催されるサッカーワールドカップ(W杯)出場を決めてホッとしたのも今は昔、コンフェデレーションカップ(各大陸王者が集まる大会で来年の準備の意味もある)では惨敗を喫しました。最近はザッケローニ監督(以下ザック)の更迭論が出てきました。サッカー観戦歴40年の私の意見も監督交代に賛成です。今やW杯に出ることは当たり前のような雰囲気になっていますが、予選の戦い方をみても決してアジアで圧倒的な力を有している訳ではありません。以前から戦況不利な状況でのザックの不安顔が気に入りませんでした。サッカーの監督の重要な仕事は練習メニューを考える(=自分の戦術を浸透させる)ことと、試合中の采配(=適切な選手交替)であると言われています。

  現在の基本システムは4-2-3-1(意味の詳細は省きます。興味のある方は診察室でご質問ください)であり、ザック得意の戦術である3-5-2システムは3年経っても機能していません。4-2-3-1システムにしてもコンフェデレーションカップでは香川選手がようやく日本代表の中で少し輝きだしましたが、それまでは本田選手が頼りであることが露呈されており、結局個人の能力頼みです。しかしそれではブラジルなどのより高い能力を持つ選手が揃っているチームには当然勝てません。そのときこそ何とか勝てる戦術を駆使するところに監督の存在価値はあると思いますが、今回でも敗戦の原因を選手の経験不足やコンディション不良にしているようでは逃げていると言わざるを得ません。また、硬直化した、あるいは見ていると臆病にさえ見える選手交替からはザックの勝負師としての胆力を感じることはできません。選手交替は勇気のいることですが、2002年W杯の韓国代表のヒディング監督のあっと驚く采配や、ガンバの元監督である西野朗さんの攻撃的な采配は例え試合に負けても納得できるものがありました。今から監督を交代させることは多大なリスクを伴いますし、恐らく日本サッカー協会にそこまでの度胸はないと思います。しかし、本気で日本のサッカーを強くし来年の本番で勝つためには交代すべきだと思います。単に今回の惨敗の結果を理由にしているのではなく、選手構成を含めてチームとしての伸びしろを感じないからです。この1年で個々には伸びるでしょうが、それをどう融合させ、化学反応を起こすかが監督の能力だと思います。残念ながら今のままでは現在のチーム力がピークではないでしょうか。続投ならば選手選考を含めてどこまで思い切った改革をし、伸びしろをどう拡大させるのかに注目したいと思っています
 以上、「サッカーだより」の編集長でした。 (院長)

<健康に役立つ豆知識>〜不整脈シリーズ( Part 2 )〜
 Part 1では不整脈とはそもそも何か、どんな症状があるか、自分の脈のとり方などについてお話しました。Part 2では不整脈の種類と検査についてお話します。

Q7.不整脈の種類は?
A7. 臨床的によく見られる不整脈を4つに分類してまとめてみます。
(1)「飛ぶ」
・病名:「期外収縮(きがいしゅうしゅく)」…「時期外れ」の収縮
・検診や人間ドックなどで偶然に見つかることが多く、ほとんどの場合自覚症状を認めません。
・自覚症状としては「一瞬胸が詰まる」「クットなる」などがあります。
・25年ほど前に2000人以上の24時間心電図(ホルター心電図、後述)を調べて学会発表をした際には、9割近い人に期外収縮を認めました。
(2)「速い」(=頻脈)
・病名:「発作性上室頻拍症」「心室頻拍」など
・症状は「ドキドキする」ことが多いですが、中には頭がフワーッとしたり、ときに意識を失うなどいわゆる「脳貧血」状態になることもあります。
・病的に速い脈とは100回/分以上ですが、治療対象となるものは140回/分前後となり、全力疾走がいつまでも続いているような心臓の状態です。
・100回/分そこそこでも病的不整脈の場合はあります。また、貧血やバセドウ病のような甲状腺機能亢進症など他の病気が隠れていないかが重要となります。
(3)「乱れる」
・病名:「心房細動」
・心房細動は持続時間によって、「発作性(1週間以内に自然停止する)」「持続性(1週間以内に自然停止しない)」「慢性」に分けられます。いずれのタイプであっても脳梗塞のリスクが増加する場合があり、また加齢に伴い心房細動になる人が増える(80歳以上では10人に一人)こともあり最近注目を浴びています(長嶋さんや小渕元総理が倒れられた原因です)。
・発作性や持続性心房細動では動悸や胸部違和感を訴えることがほとんどです。慢性になると普段の自覚症状はありませんが、とくに労作時に脈拍が速くなりやすいために、急性心不全になることが少なくありません。その場合は息切れ、むくみなどがみられます。
(4)「遅い」(=徐脈)
・病名:「洞不全症候群」「房室ブロック」
・これはPart 1で述べた心臓の電気の道筋(=刺激伝導系)の始まり、あるいは途中に異常があり、うまく脈が作れない病気です。
 ・通常不整脈の症状といえば「ドキドキする」ことを思い浮かべます。しかし、脈が遅いということはポンプである心臓から出る血液量が少ないことを意味し、そのため全身の臓器に送られる血液量が少ないことによる症状が見られます。最も影響を受けるのが脳であり、ふらつき、眼前暗黒感や重度な場合は失神します。失神の原因は色々ありますが不整脈による失神はすぐに回復することが特徴です。その他、全身倦怠感や動いたときの息苦しさなどの症状があります。治療はペースメーカー植え込み術以外にはなく、手術により症状は劇的に改善します。
症状からまとめますと、
  動悸  →(1)(2)(3)
  ふらつき→(2)(4)
となります。

Q8.不整脈を疑われたときはどのように診察を進めますか?
A8. 狭心症などでもそうですが、症状の出現したいわゆる発作のときの心電図が最も重要な証拠となります。検診などの心電図で不整脈が明らかな場合はいいのですが、自覚症状から不整脈を疑われるものの証拠がない場合は問診が大切となります。あたかも刑事さんが取調べをするように以下のことを聞いていきます。受診される際は以下の項目に沿って症状をまとめておけば診察もスムーズに進むでしょう。
(1) いつから
(2) どんなとき:じっとしているとき?動いているとき?
(3) 何時頃
(4) どれくらいの持続時間
(5) 頻度:毎日?週に何回?月に何回?
(6) 主訴以外の症状
(7) ストレスの有無:何か悩み事はありますか?
(8) 家族歴:とくに身内に突然死した方はいますか?
(9) 現在飲んでいる薬:薬によっては不整脈を引き起こすことがあります
(10) 過去の病気あるいは現在罹っている病気の有無

Q9.次にどんな検査に進みますか?
A9.検査の目的は、(1)不整脈があるのかないのか、あるとすればどういう不整脈か(=質的、量的診断)、(2)心臓を中心に原因となる病気があるか(=基礎疾患の診断)、(3)不整脈以外の病気ではないか(=鑑別診断)を調べることです。
(1) 質的、量的診断
1) ホルター心電図:簡単な心電図を丸1日つける検査で通常の生活が送れます。当院では入浴可能な器械も用意しています。装着中に発作が起きれば即診断可能であり、外来でできる最も重要な検査といえます。
2) 運動負荷試験:とくに労作中に発作が出る場合に行います。狭心症との鑑別診断にも有用です。当院では自転車をこぐエルゴメーターを使用します(自転車は前には進みませんので自転車に乗れない人でも大丈夫です)
3) 電気生理学検査:入院して行います。数本の管(カテーテル)を心臓まで入れ、電気的に心臓を刺激することで不整脈を誘発します。治療にも応用します。
(2) 基礎疾患の診断
1) 心電図:発作中に心電図が取れればそれが最良ですが中々そうはいきません。どちらかといえば心臓に病気があるかどうかの判断材料になります。
2) 胸部X線:心臓陰影の拡大の有無から心疾患の有無を調べます。また息切れが主訴の場合、肺の病気の有無も調べます。
3) 心エコー:心臓の病気を調べます。治療をするかどうかの判断において重要な検査です。
4) 血液検査:甲状腺機能異常、電解質異常や貧血の有無を調べます。
(3) 鑑別診断
1) 頭部CT・MRI、脳波:ふらつきや失神の場合、脳血管疾患、脳腫瘍、てんかん等との鑑別のために行います。
2) チルト試験:失神の際に自律神経調節障害を調べる検査で入院して行います。 (院長)